こんにちは。奈良の郷土料理「柿の葉寿司」のゐざさ中谷本舗です。
さて、突然ですが、「柿の葉寿司」といえば、どんな種類のネタを思い浮かべるでしょうか? 以前は、鯖、鮭などの定番が多かったですが、今では、季節限定の具材やお肉など、様々な種類が登場しています。当店を含め、今、多くのお店では、色々な種類を販売しています。
今回は、その具材の種類について、歴史や背景などを交えながらご紹介したいと思います。
柿の葉寿司の元祖「鯖」
柿の葉寿司は元々、鯖のお寿司を柿の葉で包んだのが始まりでした。
奈良名産として有名ですが、元々は奈良県中南部・吉野地方の郷土料理です。かつて、吉野の村々を行商人が売り歩いていた鯖を薄くスライスし、握った寿司シャリの上に載せて、手近にあった柿の葉で包んだ後、押しを効かす。そうして出来上がったのが柿の葉寿司。様々な種類のお寿司がある中で、押鮨の一つに数えられます。
吉野地方は山奥で、貴重な鯖を使った保存食であり、ごちそう。夏祭りなど、ハレの日に食べられていたそうです。
詳しくは、こちらの記事でも紹介しています。
【参考】柿の葉寿司(さば)の栄養成分表
熱量 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 食塩相当量 | |
柿の葉寿司(さば) | 66.0kcal | 2.0g | 0.9g | 12.4g | 0.6g |
文豪も感嘆した「鮭」
鯖とともに、定番の種類として各店でつくられているのが鮭のそれです。 回転寿司などで、子どもたちにも人気のサーモンですね。サーモンが刺身や寿司ネタとして食べられるようになったのは近年という印象が強いですが、実はかなり昔から食べられていたようです。
前回の記事でもご紹介した、文豪・谷崎潤一郎の「陰翳禮賛(いんえいらいさん)」。 ここで、谷崎は柿の葉寿司の魅力を伝えていますが、その種類は鯖ではなく、鮭でした。「塩気がシャリにしみ込んで、鮭が柔らかくなった具合がなんとも言えない」と書いた谷崎。「こんな塩鮭の食べ方もあったのか」と吉野の人たちの知恵に感銘を受けた一節も残っています。
この文章が書かれたのが1939年ですので、少なくとも80年以上前には、鮭の種類があったことになります。
なぜ、鮭でも作られたのでしょう。
確たることはわかりませんが、この頃は、吉野全体が林業で沸いていた時期です。全国から吉野に集まった労働者のところに、地元からよく届いていたのが「塩鮭」でした。吉野ではこれまで馴染みのなかった魚だったそうですが、美味しく、すぐにポピュラーな魚となったようです。そんなことも、背景にあるのかもしれません。
鯖と鮭の定番の具材を存分に楽しんでいただける商品が「柿の葉寿司 さば・さけ20個入」です。当店のオンラインショップで販売しています。
【参考】柿の葉寿司(さけ)の栄養成分表
熱量 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 食塩相当量 | |
柿の葉寿司(さけ) | 62.8kcal | 1.5g | 0.7g | 12.6g | 0.7g |
色々登場したその他の種類
最近では、色々な種類の柿の葉寿司が登場していますが、私たち「ゐざさ」で販売している種類をいくつかご紹介します。
まずは「たい」と「あじ」。約20年前から販売しており、当社の人気商品である4種類と5種類の詰合せに入っています。
白身がきれいな鯛。
ゐざさでは「真鯛」を使用しています。 長年、鯛のお寿司を桜の葉で巻いた「桜寿司」というお寿司を販売しており、そこにヒントを得て、柿の葉寿司でも販売を開始しました。淡白な白身の「たい」ですが、私たち自慢の寿司シャリとの相性は抜群です。
【参考】柿の葉寿司(たい)の栄養成分表
熱量 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 食塩相当量 | |
柿の葉寿司(たい) | 65.2kcal | 2.0g | 0.8g | 12.5g | 0.7g |
次に鯵。大衆魚の代表格ですが、柿の葉寿司にしても味わい深くとても美味しいです。
日本人なら好きな魚の一つである鯵。20年以上前、まだまだ全国的に知名度が高くなかった柿の葉寿司を、多くの方々に知っていただきたいと考えました。そこで、関西だけではなく、全国の皆様にご支持いただける種類として、鯵が登場しました。
【参考】柿の葉寿司(あじ)の栄養成分表
熱量 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 食塩相当量 | |
柿の葉寿司(あじ) | 61.2kcal | 2.0g | 0.4g | 12.4g | 0.5g |
「海老」もあります。
色目も鮮やかで、お祝いの席にはぴったりですよね。
海老が入った種類の詰合せは当店の人気商品です。お取り寄せにも、贈り物にもお使いいただけるひと品として、大変ご好評いただいています。
【参考】柿の葉寿司(えび)の栄養成分表
熱量 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 食塩相当量 | |
柿の葉寿司(えび) | 61.2kcal | 2.4g | 0.2g | 12.4g | 0.6g |
紹介した5種類がすべて入っている詰合せが「柿の葉寿司5種20個入」です。
たくさんの種類の詰合せがある中で、人気ランキングでいつも1位か2位に入る商品です。
季節感のある具材を使った柿の葉寿司
当店は、四季それぞれの「ならでは」の具材を使った季節限定の柿の葉寿司もたくさん作っています。それぞれの具材に合わせて、白ゴマを混ぜるなどシャリにも一工夫しているのがポイント。季節限定の柿の葉寿司の中からいくつかご紹介します。
寒さが和らぎ、桜も咲いて、華やかな気分になる「春」。そんな季節に合わせて、春色の皮目がきれいな金目鯛を加えています。ほかに、焼鯖と鮭を加えた3種類の詰合せで販売しています。
ちょうど現在販売中。ぜひオンラインショップものぞいてみてください!
「初夏」には、穴子を使ったちょっと変わり種の柿の葉寿司。
通常よりも厚めの穴子を具材に、抹茶にする前の貴重な茶葉「碾茶(てんちゃ)」をシャリに混ぜ込んだひと品です。茶葉で少し苦めのシャリと濃厚な穴子の相性が抜群!少し電子レンジで温めると、碾茶の香りと穴子のふっくらとした柔らかさがより引き立って、おすすめです! 今年2022年は4月15日以降のお届け。もう少しお待ちください!
「秋」には、やはりこの魚。「さんま」の登場です!
甘辛い味付けにした蒲焼風の「焼さんま」を使っています。ほかに、炙り鮭と焼鯖を入れた3種類の詰合せをご用意しています。
進化し続ける柿の葉寿司
いかがでしたでしょうか?柿の葉寿司といっても、色々な種類があることがわかっていただけたと思います。
1年を通してご購入いただける種類については、オンラインショップでまとめていますので、こちらもぜひご覧ください。
奈良県の郷土料理である「柿の葉寿司」ですが、私たちはその伝統を守りつつも、新たな種類の柿の葉寿司を求めて、これまで試行錯誤してきました。
ゐざさの魅力は以下の記事にも詳しく書きましたので、ぜひこちらもお読みください。
これからも、昔から伝わる味は引き継ぎながら、様々な具材に挑戦していきますので、その進化にご期待くださいね!
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