こんにちは。奈良の郷土料理「柿の葉寿司」のゐざさ-中谷本舗-です。
私たちの屋号は「ゐざさ」は、創業地・奈良県上北山村に残る伝説のイノシシ「猪笹王(いざさおう)」に由来しますが、その「猪笹王」が「妖怪ウォッチ」に登場して、話題になっていたとのこと。
どういうこと?と思い、ちょっと調べてみました。
妖怪ウォッチのゲームの対戦相手に⁉
妖怪ウォッチは、ニンテンドー3DSやSwitchなどで販売されているゲーム。テレビアニメにもなって、8年ほど前に社会現象となったことで、知っている人も多いのではないでしょうか?
最近では、ゲームアプリなどもあるようで、今回、「猪笹王」が登場しているのは「妖怪ウォッチワールド」というアプリだそう。
▼妖怪ウォッチワールド公式サイト▼
位置情報と連携して、日本全国の妖怪を収集するゲームで、バトル機能もあるのだそうです。
そのゲームで、5月2日まで行われていた「探偵団バトル」という企画で対戦相手として登場したのが、なんと!「猪笹王」だったのです!
ゲームでは「いのささおう」と読むらしいですが、これは「いざさおう」と同じですね。
そもそも猪笹王とは??
猪笹王は、ゐざさ創業の地・奈良県上北山村に残る伝説の生き物。背中に笹の葉を生やした大イノシシと言われています。
少し長くなりますが、猪笹王の逸話をご紹介。
川上村と上北山村の境にそびえる「伯母峰峠」。江戸時代、峠の南に位置する地区「天ヶ瀬」に射場兵庫という侍が愛犬とともに伯母峰で猟をしていると、背中に熊笹が生えたイノシシと遭遇。襲い掛かられ、そのイノシシを鉄砲で撃ち込み倒します。 それからしばらく後。現在の和歌山にある「湯の峰温泉」へ湯治に訪れた野武士がいました。野武士は、温泉の主人に「私の寝ている部屋を見てはいけない」と言い残し、部屋にこもります。しかし、不審に思った主人が約束を破り、野武士の部屋を覗いてしまいました。 すると、背中に熊笹が茂った大イノシシが寝ているではありませんか。 「私は伯母峰峠に住む猪笹王。天ヶ瀬の射場兵庫に撃たれて亡霊となった。あいつの鉄砲と愛犬をどうにかしてくれ。さもないと、村人を祟りに遭わすぞ」 その話を兵庫は、聞く耳を持たず、鉄砲と愛犬を渡すことはありませんでした。 するとその後、猪笹王は亡霊と化し、伯母峯峠を越えようとする旅人たちに襲い掛かるようになりました。 村人たちの困っている様子を見た高名な僧・丹誠上人は、地蔵尊を新たに奉り、猪笹王の亡霊を封じ込めました。 ただし、毎年12月20日だけは、自由の身となって伯母峰峠を歩き回ったと言われており、「果ての二十日」と呼ばれていたそうです。
猪笹王を祭ったお社は地元の方々が保存し管理してきましたが、老朽化が激しく、2013年に、新たな社が建立されました。
とても山深いところにあるのですが、妖怪ウォッチで「猪笹王」を知り、この霊廟まで訪れたという方もいらっしゃいました!
当店の上北山本店にも足を運んでいただいたようで、感謝です!!
猪笹王は上北山村の自然を体現している
急峻な山々に囲まれた奥吉野。その自然は、当地に住む人びとに恵みを与えながらも、時には牙をむきます。
伯母峰峠を越える旅人たちを苦しめた猪笹王は、上北山村の村人たちが「自然への畏怖」を表したものだったのでしょう。
また、「豊かな自然を守る」「この環境を壊すことは許さない」というメッセージを込めた存在とも考えられます。
優しくも厳しい山郷の自然を体現する存在としての猪笹王。地元住民たちの守り神として、その家々で奉られていたそうですが、そう考えると頷けるのではないでしょうか。
私たちの屋号「ゐざさ」は、そんな「猪笹王」に由来しています。名付け親は東大寺管長を務めた清水公照師。猪笹王の逸話を知り、上北山村にある名峰・大台ケ原名物として考えられた鮭の笹寿司を「ゐざさ寿司」と命名してくださりました。
このお寿司の誕生により、屋号を「ゐざさ」としました。今使っている弊社のブランドロゴも、清水公照師の揮毫です。
最後に
今回は、妖怪ウォッチに「猪笹王」が登場するということで、そのご紹介と上北山村に伝わる「猪笹王」の逸話、そして当社の屋号の由来についてお伝えさせていただきました。
郷土の味として「柿の葉寿司」を全国の皆さんにお届けすることはもちろんですが、地元に伝わるお話をお伝えし、少しでも奈良や吉野に親しみを感じていただけると嬉しいです!
奈良市から2時間半、少々遠いですが、新緑の季節である今、上北山村の風景はとても美しいです。都会の喧騒から離れ、リラックスしにぜひ上北山村にもお越しくださいね。
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